2026年11月に移転開業予定。

加齢性難聴(編集中)

加齢性難聴|「年だから」とあきらめていませんか?

「最近、テレビの音が大きい」「聞き返すことが増えた」

「年だから仕方ない」と、聞こえにくさを我慢していませんか?
加齢性難聴は、適切なケアと補聴器の選定により、ご家族やご友人との「楽しい会話の日常」を取り戻すことができます。
厚生労働省の認知症施策方針でも、難聴は「認知症発症の最大のリスク要因の一つ」とされています。

早めに補聴器を使うことが認知機能の維持に繋がります。
私たちは、お一人おひとりに寄り添った親切な聴力サポートをお届けします。

チェックリスト こんな様子はありませんか?
  • 何度も聞き返したり、「え?」と言うことが増えた
  • 後ろから声をかけても、気づかないことがある
  • テレビの音量が大きく、部屋の外まで響いている
  • 会話がおっくうになり、無口になってきた
  • 体温計の音など高い音が聞こえていない

※ひとつでも当てはまる場合、お気軽にご相談ください

ページ監修

にわ耳鼻咽喉科クリニック 
丹羽 正樹 副院長

愛知県犬山市羽黒で4代続く医師の家系として生まれ育ち、この故郷の医療に貢献します。

【所属・資格】
日本耳鼻咽喉科頭頚部学会 専門医(第13830号)
厚生労働省 補聴器適合研修会修了(第4230号)
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医(登録番号 第7141号)

著者の「故郷への思い」、詳しい経歴・論文発表実績はこちら

■感音性難聴とは?

加齢性難聴とは、年齢を重ねるにつれて耳の奥(内耳)にある音を感知する細胞(有毛細胞)がダメージを受け、神経の働きが低下することで生じる難聴です。 一般的には40代頃から徐々に衰えていきます。65歳以上になると約半数以上の方に自覚、あるいは周囲からの指摘による難聴が見られるようになります。

■伝音難聴と感音難聴の違い(加齢性難聴は感音難聴です)

音は振動で耳に届きます。
空気→鼓膜→耳小骨 と順番に振動し、内耳(蝸牛)で振動を電気信号に変換して脳で聞いています。
この聞こえるまでの経路でどこが障害されているかで伝音難聴、感音難聴に分けられます。(伝音難聴と感音難聴の両方を合併している場合は混合性難聴と呼びます)

ここでは伝音難聴と感音難聴の違いについて説明します。

伝音難聴

音を内耳(蝸牛)まで伝える経路が物理的に障害されることで生じる難聴です。例えば、耳垢の詰まり、中耳炎、鼓膜のやぶれ などが原因です。
多くの場合、治療によって改善が期待できます。
また、治療が難しくても、補聴器により問題なく聞こえるようになることも多いです。

主な疾患:滲出性中耳炎慢性中耳炎、耳垢栓塞、鼓膜穿孔 など

感音難聴

音を感じる神経側の問題によって生じる難聴です。加齢性難聴や騒音性難聴、突発性難聴などがこれに該当します。
突発性難聴などの急性難聴は早期の治療で改善することもあります。
しかし、一度傷ついた神経細胞を治癒することは現在の医療では難しく、難聴進行の予防や補聴器を用いた適切な音の補正(リハビリ)が治療の中心となります。

主な疾患:加齢性難聴、騒音性難聴、突発性難聴、メニエール病 など

加齢性難聴の3つの特徴

高い音から徐々に聞こえにくくなる

加齢性難聴は、高い音から徐々に聞き取りにくくなります。 電子体温計のピピッという音や、固定電話の呼び出し音、またお孫さんや女性の「高い声」が最初に聞き取りづらくなるのが特徴です。サ行・タ行・ハ行などの子音も高い音なので、聞き取りづらくなります。

言葉の聞き取りが悪くなる

「音自体は聞こえるが、何を言っているのか言葉として判別できない」という状態になります。通常の聴力検査のみでは「どれくらい言葉が聞き取れているか」までは判定ができないので、言葉の聞き取りの検査(語音明瞭度検査)を行う必要があります。

大きい音に過敏になり、大きい音もうるさくて聞き取れない

普通に話しても聞こえないようだから、大きな声で話しかけたら『うるさい!』と怒られてしまった……」 そんなご経験はありませんか?

実はこれ、年齢による難聴のとても代表的な症状なのです。

音を感じる神経が傷つくと、不思議なことに、脳が少しの音の変化に過敏になり、「小さな音は聞こえないのに、大きな音は通常よりも不快にうるさく感じる」ようになります。決してご本人の性格やわがままではありません。

ですから、周りの方がただ大声を張り上げても、会話はうまく伝わらないのです。 大切なのは、『小さな音は聞き取りやすく大きくし、大きな音はうるさく感じないように小さく抑えること。』この難しい音のコントロールを、その人の聴力に合わせて行ってくれるのが、「補聴器」という器械です。

【超重要】集音器と補聴器の違い

補聴器は厚生労働省に届け出された効果や安全性の基準を満たした「医療機器」ですが、集音器は医療機器ではなく「家電製品」となります。医療機器ではありませんが、air pods proの第2世代以降に補聴機能がついていることが最近では話題になっています。

それぞれの特徴を簡単に表にします。

集音器補聴機能つきイヤホン
Air Pods Pro2(第2世代アップル製イヤホン)など
補聴器
厚生労働省の認可××
連続動作時間数十時間~(製品による)数時間1日中
音の調整方法調整不可。
すべての音を一律に大きくするのみ。
AIが自動で調整(設定などは個人でiPhoneなどを使用)技能者が個人の聴力に合わせて調整
対象者(音が鳴っているかわかれば
良い人?)
軽度~中等度難聴(国際的な基準:26 〜 60 dBの難聴)のみ軽度~重度難聴まで対応可
一般的な費用数万円~両耳:4万円前後(対応のスマートフォンなどは別途必要)両耳:10~60万円以上(調整費用など含む)
医療費控除対象にならない対象にならない対象になる(相談医の証明書が必要)

集音器をオススメしない理由
音を聞くだけではなく、言葉を聞き取れるようにするには個々の聴力に合わせた調整できる機能などが必要になります。
例えば、加齢性難聴の方の多くは高い音から徐々に聞こえが悪くなります。
つまり、「低い音はある程度聞こえているが高い音が聞こえていない」という状態になりやすいです。
そんな方が調整機能がない集音器を使用するとどうなるでしょうか。
集音器では、すべての音を大きくするため、すでに聞こえている低音域や周囲の雑音まで増幅され聴力障害がさらに悪化する可能性があります。
なので、耳の健康を第一に考えるならまずは耳鼻咽喉科への受診をオススメします。

話題の「Air Pods Pro2」などの補聴機能付きイヤホンはどう?

スマートフォンのアプリで手軽に聴力検査ができ、自分の耳に合わせた「聞こえのサポート」が比較的安価で受けられるのはとても便利だと思います。

注意点としては
①対象が軽度~中等度難聴までに限られている 
②滲出性中耳炎などの治療可能な難聴の有無は受診しないとわからない 
③連続使用で1日中は充電が持たない
④購入や設定を個人で行う必要がある
などが挙げられます。

上記注意点はありますが、軽度~中等度難聴(国際的な基準:26 〜 60 dB の難聴)で補聴器を悩まれている方の入門として、良い選択肢になると考えます。

補聴器を検討する前に知っておいて欲しい3つのこと失敗しないために必ず事前にご確認ください。

補聴器は、眼鏡のように「かけてすぐ完璧に見える」ものではありません

眼鏡はかけたその瞬間から視界がクリアになりますが、補聴器は「耳につけるだけで、すぐに元の聞こえに戻る機械」ではありません。
これを知らずに購入すると、思った効果が得られずに諦めてしまう原因になります。
補聴器を正しく使いこなすには、①脳を変えるトレーニング、②正しい調整(客観的な検査)、③自分に合った選び方の3つが不可欠です。

①脳を変えるトレーニング

補聴器を始めたばかりの方で、「周囲の音がうるさくて使えなかった」と断念してしまう方は少なくありません。
加齢性難聴は時間をかけて徐々に進むため、脳が「音が聞こえない環境」に慣れきってしまっています。
そのため、今まで聞こえていなかった色々な音(食器が当たる音、水が流れる音など)が、最初は不快に感じられます。

まずは目標の「7割程度の音量」からスタートします。
毎日できるだけ長い時間つけて生活し、約3ヶ月かけて脳を「音がある世界」に慣らしていく(脳のリハビリ)ことで、無理なく快適に使用できるようになります。

②正しい調整(客観的な検査)

眼鏡を作るときは、度数を入れた眼鏡をかけて「1.0が見えているか」テストをしますよね。
補聴器も全く同じです。「補聴器をつけた状態で、本当に小さな音や言葉が聞き取れているか」を確認する客観的な検査が必要です。
しかし驚くことに、この確認検査(適合検査)をしなくても補聴器は購入できてしまいます。
これが「買ったけれど聞き取れない」という失敗に繋がるのです。

この検査ができるのは、厚生労働省に認められた「補聴器適合検査ができる医療機関」か「認定補聴器専門店」です。
当院は、補聴器適合検査ができる設備を有しておりますので、お気軽にご相談ください。

③自分に合った選び方

補聴器には、主に「耳穴型(小さく目立たない)」「耳掛け型(耳にかけるタイプ、機能が豊富)」「ポケット型(大きい、重度難聴用)」などの形状があります。基本的には、形が小さく目立たないものほど、出せる最大音量も小さくなっていきます。

現在の好みだけで決めるのではなく、「今の自分の聴力に合っているか」「今後、数年経ってさらに聴力が低下したときでも、十分に対応できるだけの出力パワーがあるか」をあらかじめ考えて選ぶ必要があります。

■今日からできる!加齢性難聴の予防と進行防止策

加齢性難聴を進行させるリスクとして、遺伝的要因(元々の難聴のなりやすさ)以外に、騒音などの環境要因と生活習慣病などの後天的な要因が挙げられます。
加齢による難聴の進行を少しでも遅らせるための方法を解説します。

①騒音環境を避ける

テレビやイヤホンなどの大音量は耳の中の聞こえの細胞の障害を引き起こします。
世界保健機関(WHO)も、このままでは世界中の11億人もの若者が将来耳が聞こえにくくなる、と強く警告しています。
大切な耳を守るために、次のことを心がけましょう。

  • 音量は控えめに:テレビや音楽は大音量で聴かない。
  • 1時間ごとに休憩を:イヤホンなどを使うときは、続けて1時間以上聴かない。
  • 静かな環境を意識:いつも大きな音がしているうるさい場所(工事現場や地下鉄など)は、できるだけ避けたり耳栓をする。
  • 定期的なチェック:ときどき耳鼻科などで、耳の聞こえ具合を確認する。

②生活習慣病の予防


内耳の細胞は、非常に細い血管から酸素や栄養を受け取っています。
高血圧、動脈硬化、糖尿病などは内耳への血流を低下させ、難聴の進行を早める原因になるため生活習慣病の予防をしましょう。
喫煙もリスクになると言われているので禁煙をおすすめします。

■よくある質問(FAQ)

加齢性難聴は何歳ころから起こりますか?何歳くらいから聴力は低下し始めますか?

一般的に40歳代から聴力が低下する傾向があると言われています。
年齢を重ねるごとに聴力は低下していきます。厚生労働省によると一般的に40歳代から聴力が低下する傾向があり、65歳を超えると、聞こえにくさを感じる人が急激に増え、75歳以上では約半数の方が聞こえにくさを感じていると言われています。
徐々に低下するので、最初は自覚しづらく、ご家族や周囲から「テレビの音が大きい」「聞き返しや聞き間違いが多い」と指摘されることが多くなります。少しでも気になったら耳鼻咽喉科を受診し、一度診察や聴力検査を受けておくことを推奨します。

補聴器は医療費控除の対象になりますか?

要件を満たせば医療費控除に対象になります。
対象とするためには、補聴器を購入する前に「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定の補聴器相談医」を受診し、診察・検査を受けた上で「補聴器適合に関する医師の証明書」を発行してもらう必要があります。この証明書を持って補聴器販売店で購入することで、確定申告時に医療費控除の手続きが可能になります。

補聴器相談医の名簿は日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会の公式HPから確認できます。お住まいの近くの医療施設に補聴器相談医が在籍しているかご確認ください。(https://www.jibika.or.jp/modules/certification/index.php?content_id=39

また、当院は認定補聴器相談医が在籍していますので、安心してお申し付けください。

補聴器と集音器は違いますか?

補聴器と集音器は別物です。
補聴器は医療機器であり、個人の聴力の程度に応じて周波数(音の高さ)ごとに音量を調整できます。
集音器は一般家電であり、音の調整は出来ず、すべての音を一律に大きくします。
聴力障害を悪化させることは、適切に調整された補聴器ではまずないですが、集音器ではその可能性があります。

補聴器を購入したらすぐに聞こえるようになりますか?

残念ながら、つけたその日から完璧に聞こえるようになるわけではありません。
加齢で「音が聞こえない環境」に慣れた脳には、最初は補聴器の音がうるさく感じられます。
まずは目標の7割の音量から始め、毎日使って約3ヶ月かけて音量を少しずつ調節し、脳を音に慣らしていくことが大切です。

Air Pods Pro2は医療費控除になりますか?設定や調整を医療機関でやってもらえませんか?

残念ながら医療費控除にはなりません。設定や調整も行っていないので、個人でお願いいたします。
医療費控除の対象となるのは、厚生労働省の承認を受けた「医療機器」として認定された補聴器のみです。
Air Pods Pro 2に非常に優れたヒアリングサポート(補聴)機能が備わっていても、日本国内の税制上および法律上の分類としては一般オーディオ機器・家電製品の扱いとなるため、購入費用は控除対象外となります。また、購入や設定・調整なども個人で行っていただいております。あらかじめご了承ください。

年による難聴を予防する方法はありますか?

難聴の進行を予防する方法はあります。
騒音環境や喫煙、生活習慣病(高血圧、動脈硬化、糖尿病)などは加齢性難聴の悪化のリスクと言われています。
これらを改善することで難聴の進行はある程度予防できると考えられます。

参考文献:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/nanntyou/index.html
     日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会 難聴について(https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/#age_related_hearingloss
     聞こえるプロジェクト(https://kikoeruproject.jp/
     日本老年医学会雑誌 57巻 4 号(2020:10) 加齢性難聴の病態と対処法
     改訂版 難聴・耳鳴りの9割はよくなる 脳を鍛えて聞こえをよくする「補聴器リハビリ」新田 清一 、 小川 郁 | 2025/1/30